今日はBAG作りの現場のお話の続きです。
バッグの新作は、
無いところから全く新しい企画から作るパターンと、
既に出回っている自社の製品、他社の製品を少し変えて作るパターンがあります。
全く新しく作るパターンでは、
流行予測の情報を得たり、デザイナー独自のセンスで素材、部材を選び
凝る物は金具からオリジナルを作ったりすることもあります。
既に存在する材料を使い方をこれまでにない使い方をすることで
全く新しい感覚のものにしたり・・などもあります。
流行予測については、
各社いろんな情報経路から世界の流行を入手したり、
色やデティールについての流行も半年以上前から決まっていて
それについてのセミナーに出る等して情報を取り入れます。
これを元に各社新作を作り、
店頭に並んで行くのですね。
アパレルの世界も同様。
会員制の情報網から、いち早く「パリコレ情報、画像」を入手し、
それに基づき新作を企画。
春夏物でしたら、その前の秋にはほぼ決まっている状態なんですよね。
なので、いわゆる「流行」って
街で作られる前に、既にその要素はおおよそ半年以上前に作られているのですね。
ふしぎふしぎ。
それでは、最初の最初は、どうやって作られるのでしょうね〜。。。
なーんて真面目な話しをしてしまいましたが、
そんな驚きの場面の連続の入社当時、
前にも少し書きましたが、
社会人一年目、私はとんでもない家に入居してしまったのでした。
それまで暮らしていたチンチン電車の世田谷線の駅から徒歩2分ほどの
まともなアパート(その前のまともでないアパート→
http://yamaneko.i-ra.jp/e282166.html)
がマンションに建て替えということでやむなく退去。
その後の行き先、足立区と隣接する県のS市の一戸建の2F(1Fは工場)。
引越屋さんとともに引越の荷物を運び入れている途中、
どこからともなく現れたおばあさんが近寄って来た。
「あんた、ここに住むのかい?」
「はい。今日からこちらに住むことになりましたやまねこです。
よろしくおねがいします(^ ^)」
「ここはね、コレ・・だよ。」
「ここは」とは私が住むことになる家と車2台分ほどを空いた
6所帯分くらいの古い木造アパートのある1室を指差していた。
そこは私が2Fへ登って行く鉄階段のすぐ横。
誰も住んでいないようで、荷物も何も無く、2間分の全面の窓ガラスから
中の畳の部屋が見えた。
「コレ・・だよ。」といいながら、
おばあさんは自分の首をヒモで絞めるしぐさをした。
えーーーーーっ・・・・・・!!!!!
「それからね、ここにあるコレはコレした人が漬けた“梅”だよ。」
ここにある“コレ”とは、なぜか私が登る鉄階段の上がり口に置かれた
おおきなブルーのポリバケツ。コレした人=またまた首をくくるしぐさ・・・。
ご、 ご親切にどうも,,。
「私手伝ってあげるから、コレ、その後ろにうっちゃっちゃいな。」
その後ろ、とは私が住む家の下にある物置と浴室(私が借りる部屋用)
がくっついた“離れ”の後ろの事で、
「そこは大家さんちの墓石がころがってるんだけど、しょうがないよねー」と。
見ると墓石はゴロゴロ。
墓地ではなく、使われていない処分しようとしている墓石のようだった。
なんて家に越してきてしまったんだろう。。。
不動産屋さんはそんなこと全く言ってなかったけど、
今の私なら荷物運びこんだ後でもクレームをつけるところだが、
当時の私はまだそんな勇気も知恵もなく、
その後2年、更新時まで住むことになったのでした。
とにかく何も考えない。
目に入る畳みの部屋も “ただのタタミの部屋”
そうインプットして、とりあえず無事に2年間経過。
何もなかったけど、ここに居た2年間は
なんとなく“意欲”が減退していたように思う。
しかし、あの町は 夜はムーミン谷のように暗くなり、
不思議なくらい人や子どもを見かけなかった町でしたね。
因に例のおばあさんは、そのアパートの2Fに住む人だったようで、
そのアパートは私が入居後まもなく取り壊されました。
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お仕事にかかわらず、コメント入れて頂けたら嬉しいです。
やまねこ